ジョージアマイクロファイナンス業界概要
おはようございます!
3月にオープンしたネクストシフトファンドですが、日々多くのお客様に口座を開設して頂いております。
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さてネクストシフトファンドの貸付先でもあるジョージアは、マイクロファイナンスの投資先として魅力的な国として知られています。大きく2つの理由があります。
1. 優れた投資環境
毎年世界銀行が発行する、ビジネスのしやすさをランキングにした「ビジネス環境の現状」では、2018年のレポートでジョージアは9位にランクインしています(日本は34位)。
複数の項目を点数化して順位が出ますが、同国は特に少数株主の保護、不動産登記、事業設立の項目で高得点を獲得しています。法人登記はなんと1時間半で完了してしまいます。
また、不正や汚職調査の専門機関のGANによると、関係省庁や政府は汚職撲滅、内部の統制と透明性に力を入れていることが外資を引きつける要因の一つとされ、外国投資家にとっても投資しやすい環境が整っています。
マイクロファイナンスの需要があり、かつ優れた投資環境を持つ国としてジョージアは非常に魅力的な投資先です。
2. 強い資金需要
ジョージアは2003年のバラ革命を境に、積極的に市場経済を導入し、直近ではGDP成長率は約5%を推移している成長国です。
一人あたりGDPは約4,000米ドル(2017年、IMF)と、カンボジアの約4倍の所得の高さで、一見すると貧困層向けのマイクロファイナンスは不要ではないかと思うかもしれません。
しかし同国の主な産業である農業を営む人々や、マイクロビジネスを営む層はまだ多いとされています。
大きな銀行は大企業のみに融資をし、農家などは金融アクセスを得られない状況が続いていました。
そこでマイクロファイナンスが活用され、今日では強い資金需要があります。
世界銀行(2018)によると、銀行口座を持っているのは人口の4割とされ、今後の金融業界全体の発展が期待されます。
今回渡航時には、ジョージアマイクロファイナンス協会とお話をしてきました。
現在同国には70を超えるマイクロファイナンス機関(以下MFI)があり、MFIは預金による資金調達が認められていないため、借り入れによる調達が多く見られるそうです。そのため、規模が大きくなったMFIは、預金が可能な金融機関とされる、銀行免許の取得をする傾向があると述べていました。
協会によると、上記に加えて業界全体のガバナンスに特徴があります。
まず、今年9月に規制強化の大きな変化がありました。
その中でも上限金利設定と資本金引き上げが影響を与えると言われています。
特に上限金利はこれまで年利100%だったのが半分の50%となり、顧客保護を強化する目的で設定されましたが、収益悪化にもつながる恐れがあります。
また資本金引き上げは、これまで約10万ドルだったのが、4倍の40万ドルとなります。これにより、小規模のMFIは合併あるいは増資ができない場合は継続ができなくなってしまいます。
それから世界銀行ジョージア事務所の金融セクターの担当者からも、顧客保護と責任のある金融サービス(Responsible finance)に集中していると聞きました。担当者からは、規制強化によりこれまで課題となっていた消費者金融を中心とした過剰債務や違法な預金を締め出すことが可能になり、外国投資家もより安心して投資できるようになるのではと述べていました。
カンボジアと同様に業界規模が発展しながらガバナンス強化に動いていることがわかりました。
次回はネクストシフトファンド貸付先でもあるマイクロファイナンス機関の借り手訪問についてのレポートです!