カンボジアの注目Fintechその1 Pi Pay
おはようございます!
送金を中心としたフィンテックがカンボジアでも流行っていますが、本日は個人的に注目している決済アプリのPi Pay(パイペイと発音)の紹介をしたいと思います。
Pi Payは香港系の会社で、2017年の5月にカンボジアでアプリをリリースしました。
日本の電子マネーのスマホ版といったイメージで、市内にあるキャッシュマシーンと呼ばれる端末にお金を入れるとチャージができ、会計時にはスマホでQRコードを読み取るという流れです。
9月12日のプノンペンポストによると、
決済総額は5百万ドル、
ユーザーは7万人、
登録している店舗数は250、うち約半分が飲食
ということで、猛スピードで拡大しています!
現在はPi Pay使ったら何%割引、という方法でひたすらユーザーを囲う戦略をしています。
競合にあたるアクレダ銀行の決済サービスToan Chetよりも都市部にいる若者向けに絞っているイメージです。
というわけで実際に使ってみました!
まずはアプリストアからインストールします。
鮮やかなピンクが印象的です。
開くと、英語、クメール語、中国語から言語選択をできます。
基本情報を埋めた後は、本人確認書類のアップロード。
日本のように簡易書留や本人限定受取郵便のような住所確認はありません。
アプリ上では他にも自分の携帯への入金(逆は不可)、
それから最寄りのキャッシュマシーンでチャージをします。
5ドルの入金ができました。
会計時には専用の端末に表示されるQRコードをアプリ上から読み取るだけ。
と思いきや、電話番号とパスワードを端末に入力してくれと言われました。
どうやら2パターンあるようです。若干手間取りながらも支払い完了。
このカフェではなんと50%の割引でした!(2017年10月2日現在)
一ユーザーとしての感想は、
・電子マネーに慣れていたので、そこまで苦ではなかった
・とはいえ画面に項目が多いので、少し理解があっても最初は混乱するかも
・そこまで多くないキャッシュマシーンを探し、チャージするのが面倒
・ディスカウントはハッピー
・残高分支払って、不足分は現金という支払いができないのが不便
複数の商品を購入時には、残高で払える商品と、現金分のレシートをそれぞれ別に発行して、Pipayと現金支払いという流れでした。
といったところでしょうか。
数名のカンボジア人にヒアリングすると、ディスカウントがすべて、という回答でした。
とてもわかりやすいです笑
実際にアプリインストールからQR決済するまでのが少し面倒なので、割引でしかコンバージョン向上は望めないかもと感じました。
Pi Payがいつまでマーケティング費用をばらまき続けられるか、
そのあとからは登録した店舗が手数料を払ってくれるのか、
ECサイト等が普及してクレジット・デビットの代わりになるのか(カンボジア含む途上国ではCash on Deliveryが多いので、
ECサイトで買った後も現金決済が主流です)
といった課題もありそうです。
というのが対消費者向けですが、著者のイメージでは今後はB2C企業に導入しつつ、銀行やマイクロファイナンス機関と積極的に働くのではと思っています。
決済を抑えると、売上やコストのデータが確実に取れ、また融資返済用の引き落とし口座のようにすれば返済履歴も積み上げていけるからです。
中国のアリババはEC事業から信用情報、そして金融にシフトしていますが、カンボジアは逆の順番で進んでいるようにも見えました。