カンボジアのFinancial inclusion (金融包摂)について
おはようございます!
前回のブログではカンボジアには300近い金融機関があると述べましたが、今回は利用者についてになります!
Financial inclusion (金融包摂)という言葉はご存じですか?
金融包摂とは、世界銀行が提唱した「すべての人々に金融のサービスを」という開発課題です。
途上国では金融へのアクセスがない人がまだまだたくさんいる、というイメ―ジですが、300近くの金融機関があるカンボジアでは一体どうなのでしょうか?
これだけうじゃうじゃ金融機関があるんだから、ほとんどの人が利用しているに違いない・・・
の前にまず世界では、
・20億人がフォーマルな金融サービスを受けれていない
・そのうち50%の成人は最貧困層にあたる
というデータがあります。
(以上世銀ホームページより)
ではカンボジア国内の話に移ります。
簡単なデータから。人口1,500万人に対して、
融資:人口の6-70%、約2-3百万世帯が利用(2016年)
預金:人口の30%弱、銀行口座保有者が約300万人、マイクロファイナンス機関口座保有者が約150万人(2016年)
クレジットカード:人口の0.3%、発行枚数は5万枚(2016年)
保険:人口の20%、業界全体の保険料は113百万ドル(2016年)
100%ではないものの、人口の7割がローンを利用したことがある、しているというのはこれだけ発展した金融セクターのおかげかもしれません。 とはいえ預金などの他の項目はまだ著しく低いです。
カンボジア人が金融サービスを使わない理由として、
・周りにない=アクセスが困難
・よくわからない、怪しい、お金を取られるのではないか=リテラシー欠如
の2つが圧倒的に多いです。
一つ目は遠隔地に住む方だと最寄りの金融機関が遠く、また機関側もコストがかかる割に効率的でないので、積極的ではないことがあります。
二つ目は金融教育の普及が必要とされていることが考えられます。
ポルポト時代を除き、カンボジアにおいて現金が紙切れになる廃貨を経験していませんので、なんとなく銀行が信用できないというマインドセットなのかと個人的に思います。
では誰からお金を借りるのでしょうか?
家族、親戚、友人同士の資金融通がよく見られます。
その後トラブルになることもしばしば・・・
正式な金融機関からの融資を得ても、多重債務や過剰債務が発生し、金融によって生活を悪化させてしまっているケースがあり、残念に思います。
私が定義する金融包摂は、金融アクセスに加えて、「人々がよりよい生活のために適切な金融商品を選べるようになること」と考えています。
これを「Financial inclusion 2.0」と勝手に命名しました。笑
これだけ業界自体が拡大しているので、利用者が安心して使えるような社会になるといいですね!